初心者にとっての難問その2〜同じ曲のCDが何十枚もある

 「大体この「あたり」に,『悲愴』が入ったCDがありますので」
 「あぁ,どうもありがとうございました。」

 〜『ヒソウ』は『悲愴』って書くのね…店員さん,ありがとう。救世主のように見えました。
 さぁ,買う気マンマンのあなた,CD棚を除いてみると…むむむ…

ベートーヴェン : 月光・悲愴・熱情・告別/ルービンシュタイン
ベートーヴェン:四大ピアノ・ソナタ集/バックハウス(pf)
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番&第14番&第23番/アシュケナージ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第5〜8番/ポリーニ
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第8番&第14番&第23番/ケンプ
ベートーヴェン:4大ピアノ・ソナタ/・・・・・
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 な,なんで,同じ曲が何枚もあるの??
 だから店員さんは,この「あたり」って言ったんだ。
 ルービンシュタインバックハウス(pf)?pfってなんだ?多分ピアニストの名前なんだろうけれど…再び混乱してしまいました。
 同じ作曲家で同じタイトル,ところが弾いている人が違う…ピアニスト毎にアレンジを加えているのでしょうか…もしそうだとしたら,あなたがラジオで聞いたあの演奏は,一体誰が演奏していたかも判らないと,CDが買えません。
 おまけに,値段もいろいろあります。下は780円から上は3200円まで…安いCDはなんとなく「不安」があって(ヘタクソそう,音が悪そう)てにとれないものの,だからといって3200円は高いし,店員さんにきけば,高いヤツを勧められそうで聞くこともできません。
 まいったなぁ,これだからクラシックはヤダよ…とちょっとヤケになってきたあなた。
 こういうときはどうすればよいのでしょう…。


 こういうときは…迷わずに「一番安いCDを買う」です。


 ちなみにこのとき私はどうしたか…「高い」=「よい演奏」と思い,一番高いCDを買って失敗しました(誰の演奏,とはいいませんが)。録音もキンキンしているうえ,テンポも遅く,さっぱり面白くないもので,とても損した気分になりました。
 安いCDにはイロイロとメリットがあります。

  1. 支出額を抑えられる。
  2. 仮に思ったような演奏でない場合,損失を最小限に抑えられる。
  3. 仮に思った以上に素晴らしい演奏の場合,演奏に感動するうえ「買い得感」もプラスされ,満足の度合いが高まる。

 価格が安いから,といっても,一応CD会社のマークを付けて売り出すわけですから,そうそうヘタクソなピアニストが出てくることはありません。
 安い理由はいろいろありますが,購入の際に知っておく必要があるものといえば,

録音が古い(今から50年以上前の録音)ものについては,モノーラルである,

ということです。普通はCDのパッケージ裏を見れば,「MONO」と書いてあるので判るのですが,たまに記載が無い場合があります。そのときは1956年以前か以降かを大方の目安にするとよいかと思います(ステレオLPレコードが初めて発売されたのが1956年のため)。ただし,あくまで「目安」にとどまります。1960年代に録音されたものでもモノーラルというケースは多いです。

 さすがに,これだけステレオ装置が発達して,ステレオが当然の中で,初めて聴く曲がモノラルだったら,作品云々以前に,ちょっとしたショックを受けると思います。よく見て,買うようにしましょう。